2022年10月7日に、静岡県駿東郡に世界初の自動車メーカー連携モータースポーツミュージアム「富士モータースポーツミュージアム」がオープン。国内外自動車メーカー10社の連携による常設展示が見られるとあって注目されている同施設に、実際に足を運んだ際の様子をレポートします。
世界初の常設展示
「富士モータースポーツミュージアム」があるのは、静岡県駿東郡小山町にある「富士モータースポーツフォレスト」内。日本屈指のサーキット・富士スピードウェイを中心にホテルや国内有数のレーシングガレージなど、モータースポーツ文化が楽しめる多彩な施設から構成されるスポットです。
同施設はミュージアムと同日にオープンした「富士スピードウェイホテル」内にあり、ホテル棟の1~2階にモータースポーツの歴史を彩るさまざまなレーシングカーが展示されています。
1階のエントランスを入ってすぐの場所にチケット窓口があります。窓口で当日券を買って入場することもできますが、お得にチケットを購入できるオンライン予約がおすすめです。
同施設最大の特長は、最高峰レース参戦車両を含む国内外の名車の展示です。国内外の自動車メーカー10社が連携して常設展示を行うのは、モータースポーツミュージアムとしては世界初の試み。1922年のストラスブール・グランプリの参加車両で長期秘蔵されていた「サンビーム・グランプリ」をはじめ、1969年の日本カンナム優勝車両の「トヨタ7」など、歴史に名を残すモータースポーツ車両が国内外から一堂に会します。
クルマ好きなら一度は目にしてみたいお宝車両が並ぶ光景はまさに圧巻!
クルマづくりに貢献したモータースポーツの歴史
同施設のコンセプトは、「モータースポーツがクルマを鍛え、進化させた熱い歴史をたどる」。モータースポーツの車両開発の歴史を紐解きながら、「クルマづくり」にモータースポーツが果たした役割やその意義について伝えます。
モータースポーツの始まりは、19世紀末にフランスで開催された自動車レースです。
蒸気や電気、ガソリンエンジンなど動力源の異なる車が競い合うことで、技術を向上させていきました。動力源として最も優れているのは蒸気なのか、電気なのか…その決着をつけるために誕生したのが「自動車レース」であり、これがモータースポーツの始まりなのです。
世界の自動車メーカーがレースに挑み、激化する競争の中で技術革新していった様子を歴史と共に振り返ります。
1台ごとに広いスペースが割り当てられ、周囲360度から自由に車両を観察できるのもファンにはうれしい工夫の一つ。今では目にすることができない貴重な車両を細部までゆっくり観察することができます。
展示方法にも工夫が満載
2階フロアには、モータースポーツの歴史を物語る名車たちが揃います。なかでも2台の「ル・マンカー」の展示は必見! 1991年に日本車として初めてル・マン総合優勝を勝ち取った「マツダ 787B」と、1999年に日本ドライバーが総合2位を勝ち取った「トヨタ GT-One(TS020)」が並ぶ展示スペースでは、車両と共にレースシーンの映像やエンジン音が楽しめる仕掛けも。レースの臨場感と感動を味わうことができます。
このほか、15のテーマごとに展示された館内を周ることでモータースポーツ発展の歴史やメーカーごとの活躍を俯瞰して理解できるなど、展示にさまざまな工夫が施されているのも同施設の大きな特徴です。実車以外にタイヤやエンジンなどの展示もあり、クルマ好きにとってはまさに1日いても飽きることのない見ごたえたっぷりの博物館です。
富士スピードウェイのパノラマが楽しめるカフェも
ミュージアム3階にはショップとカフェスペースが併設されており、全長50mのテラスからは富士スピードウェイの壮大なパノラマが満喫できます。
ここでしか購入できないオリジナルグッズや、希少な書籍が用意されたコーナーも必見です。世界初の自動車メーカー連携のモータースポーツミュージアム。併設する「富士スピードウェイホテル」も日本初上陸の「アンバウンド コレクション by Hyatt」として注目されるおすすめスポットです。ぜひ併せてチェックしてください。